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マジック・オリジン「限界点」(2015年7月8日)
Ari Levitch / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
原文はこちら
ストーリーは所々割愛して紹介しておりますので、詳しく小説を読みたい方は公式サイトをご覧ください。
マジック・オリジン『限界点』のあらすじ
ギデオンの毎日
ギデオンは昼はラヴニカ、夜はゼンディカーを行き来し助けを求める者たちのために動いていた。
しかしギデオンは、一緒に戦う仲間がいないという問題を抱えていた。
ゼンディカーはエルドラージという巨大で異質な怪物たちに支配されていた。
ギデオンは初めてその次元に行き、その状況を見たときに仲間を見つけ、このゼンディカーを救い出すと誓った。
ゼンディカーにてエルドラージ退治
ギデオンはエルドラージと戦っていた。
ギデオンの数倍もある巨大な体、大きな太い触手を持つエルドラージは、無機質にギデオンに襲いかかる。
スーラと呼ばれる、4本の鞭のような武器でエルドラージを切断する。
流れるのは血ではなく、濃ゆい粘りのある泥。
その後もエルドラージの触手がギデオンを襲う。
《平地》 アート:Vincent Proce
ゼンディカーには、数多くの面晶体の塊が宙に浮いていた。
それはエルドラージに何かしらの影響をもたらすようで、槍先や矢尻に使用されていた。
ゼンディカーに住む、コーと呼ばれる青灰色または白色の肌を持つ人型種族の者たちも、その体に面晶体に描かれている模様と同じ模様を描いていた。
そしてそれらは、重く、尖っていた。
面晶体の塊を利用し、エルドラージを仕留めたギデオン。
そんな彼の元に、十人程の者たちが近づいてきた。
ほとんどがコーで、その他はエルフや人間、2対のゴブリンが混じっていた。
先頭にいた体格の良いコーは、ムンダと呼ばれる者だった。
彼はギデオンのことを友と呼んだ。
ムンダは、縄を利用しエルドラージを罠にかけ仕留めるその姿から「蜘蛛」と呼ばれる存在で、その大胆で狡猾であるムンダをギデオンは気に入っていた。
彼らも狩りを成功し、1体仕留めた後だったようだ。
いくつか言葉を交わした後、ムンダから「バーラ・ゲドについての報告」を聞かされた。
バーラ・ゲドはゼンディカーの一つの大陸だ。
エルドラージによって蹂躙され破壊され、何も残っていないようだった。
「セジーリと同じように」
セジーリもゼンディカーの主要な一つの大陸である。
ギデオンも、ムンダたちと共にその大陸に行くことを決意した。
ラヴニカではゴブリンの抗争が行われていた
ブリキ通りは炎で燃え上がっていた。
軽い霧雨が1ヶ月以上に渡り降り注ぐが、その炎を少しも防いではくれなかった。
《五連火災》 アート:Karl Kopinski
これは、ゴブリンのギャング抗争によって起こった事件だった。
ボロス軍の部隊長ダース・ゴストクは、今後さらにゴブリンの死者が増えるだろうとギデオンに伝えた。
それは予期した通りになった。
この事件は、1人の殺し屋から始まった。
闇市場にで爆発物を扱っている密売人であるダーギグ。
彼は悪名高い「破砕団の兄弟」の最年少のゴブリンだった。
《破砕団の兄弟》 アート:Kev Walker
そのダーギグはある日、ブリキ通りの小路にて喉を突かれた姿で倒れているのが発見された。
犯人は、ゴブリンのクレンコという者だと噂が広まっていた。
武器の取引で決裂してしまったのだという。
破砕団がクレンコの倉庫をいくつか爆発させたことから、この紛争は始まった。
ラヴニカのギルドの潰し合いを防ぐ魔法的な協定の体現者である、生けるギルドパクトと呼ばれるジェイス・ベレレン。
ギデオンは個人的に、ラヴニカの法の基礎となるギルドパクト議会に仲裁を請願するが、それはとても長い待機一覧の最下部に記載された。
今回の紛争を起こしているゴブリンたちは、ラヴニカのどのギルドにも所属していない。
他のギルドに所属する者たちは、安全なギルド門の背後でその紛争を観察することができるが、ギルド無所属「門なし」の者たちは、今回の件で命の危険にさらされていた。
ギデオンはその者たちを守るため、立ち上がった。
ギデオンは一匹のゴブリンを連れボロス軍に
アート:Richard Wright
ギデオンは、ふらつき血のしみを床に残しながら、ボロス軍に贈り物を持ってやってきた。
手首を拘束されたゴブリンを部屋に押しやる。
そのゴブリンは、今回の原因と言われるクレンコであった。
囚われたにも関わらず、仲間のゴブリンが街中で死んでいくにも関わらず、笑い、煽るクレンコに怒りが燃え上がるギデオン。
ボロス軍の部隊長ダース・ゴストクはクレンコに2度ナイフで刺されたというギデオンに、軍医に診てもらった方が良いと促す。
それと同時に、爆弾のようなものが投げ込まれた。
ギデオンはとっさに爆発物を掴み、腹部に抱き込んだ。
魔法の光が弾けたが・・・何も起きなかった。
不発弾かと思われたがそれは爆弾ではなく、中には細く長い紙が入っていた。
伝言。
それはクレンコが殺害したゴブリンが所属する、破砕団のリッキグとガーダギグからであった。
クレンコを渡せ、この伝言を拒絶するならばボロスの領域は瓦礫と化すだろう。期限は明日のこの時間まで、と。
ダースはクレンコを牢に連れて行った。
ギデオンはこれに費やす時間はなかった。
再び、ギデオンはゼンディカーに戻ることに。
ゼンディカーにてバーラ・ゲドの生存者たちの援助を行う
三百人以上のバーラ・ゲドの生存者達は、海岸に上陸していた。
彼らは助力を必要としていたが、傷ついたギデオン自身もまた、助力を必要としていたかもしれない。
これが片付けばラヴニカに帰れる。
エルドラージの歩みを緩め、倒し、ムンダたちが仕事を終えるまでの時間を稼ぐという仕事に集中することにした。
タズリは、海門の灯台に向かう一団の中にエルドラージの専門がいると言っていた。
それが本当であるならば、その専門家の元に、バーラ・ゲドの生存者達を辿り着かせねばならない。
エルドラージの第一波がギデオンを襲う。
ギデオンは疲労していた、不注意により失敗をしてしまう。
急ぎ、ラヴニカに帰らねばならないと感じていたギデオンは再び集中し直し、エルドラージの落とし子をなぎ倒した。
《よろめきショック》 アート:Raymond Swanland
すると、突然鋭い口笛が鳴り響いた。
上空を見ると、1人の女性の魔道士がいるのが見えた。
その魔道士の助けもあり、エルドラージたちを始末することができた。
ムンダの元に戻り、ようやくラヴニカに帰れると思ったが、新たな問題が発生していた。
「エルドラージの巨大な群れが、海門に迫っている」とのことだった。
ラヴニカの破砕団の隠れ処へ向かう
アート:Michael Komarck
ギデオンは、体の傷を残しながらラヴニカへと帰還する。
ギデオンが辿り着いた先は、破砕団の隠れ処であった。
クレンコを連れてきていないと気付いたリッキグ。
彼の手には爆弾があった。
クレンコは自分たちで捕まえる、今はただあの地区を燃やしてやろう、と言うとともに爆弾を解き放った。
部屋のあちこちで炎が燃え広がる。
クレンコを捕らえたのはボロスではなく、私だ、とリッキグに言うギデオン。
そうすると、押し殺したような泣き声が聞こえた。
防御するように両手を上げたリッキグのものかと思われたが、それは捕虜たちのものであった。
その助けを求める声に、無謀な状況にも関わらずギデオンはその者たちを助けようとした。
厳しい状況であったが、気付けばダースとボロスの軍団兵たちが助けに来てくれていた。
1人で駆け回るギデオンに、我々も軍団として戦う、と伝えるダース。
ギデオンに休息を取るように伝えるが、「まだそれはできない」と言うギデオン。
ゼンディカーにて1人のマーフォークと出会う
場所は変わりゼンディカーの海門にて、エルドラージたちは海門の宿営地を破壊していた。
あまりにも多いそれらにヴォリク司令官は撤退命令を出すが、ギデオンはその命令を聞かなかった。
ギデオンは不眠のまま4日、5日は経っていた。
ギデオンはまたもエルドラージたちを退治しようと奮闘する。
戦いの中で、ギデオンは1人のマーフォークと出会った。
彼女は傷を負い、意識無くぶら下がる人を抱えていた。
亡くなってしまった彼女は「ケンドリン」と言う名の者だった。
彼女たちもバーラ・ゲドを生きて脱出してきた者たちだった。
ケンドリンは『力線の謎』と呼ぶ、面晶体、エルドラージ、それらの繋がりの解明のもう一歩まできていたと言う。
彼女はそれが全て『目』をさしていると言っていた。
そのため、マーフォークの彼女は灯台の『目』の記録を見るために、この場所を目指したと言う。
しかし、彼女は灯台に行くも何も分からなかったという。
専門家はケンドリンであり、私ではない。
《古きものの活性》 アート:Vincent Proce
そんな話をしていたところ、1体の巨大なエルドラージが襲いかかってきた。
ゼンディカー人の立ち直りは早く、多くの者が一日中戦い続けエルドラージを倒してきたが、それも十分ではなかった。
その証拠に、海門は失われてしまった。
《ウラモグの道滅ぼし》 アート:Goran Josic
力線の謎。
ゼンディカーの問題を解決するため、別の専門家が必要だ。
ギデオンはそのマーフォークである彼女、ジョリー・エンに「助けになる者を見つけてくる、だから君はヴォリク司令官の宿営地に辿り着いてくれ。」と言う。
そして彼は再びエルドラージと戦いを始める。
エルドラージを仕留め、ようやく落ち着きを取り戻したギデオン。
専門家の心当たりはあった。
ラヴニカのギルドパクト議会に向かう
ギデオンは傷ついた体のまま、ギルドパクト議会に来ていた。
生けるギルドパクトであり、プレインズウォーカーのジェイス・ベレレン。
彼の元へ、段を踏み込み、もう一歩進もうとしたがその瞬間彼はその場に倒れ込んでしまった。